ご飯を食べながら映画を観たいけれど、画面に集中し続けないと話が分からない作品や、重い展開が続く作品は少し避けたい。そんなときは、物語に入りやすく、気軽に楽しめる映画があるとうれしくないですか。
この記事では、上映時間が120分以内で、食事中でも話の流れを追いやすい作品を紹介します。露骨な性的描写や残酷なシーンが目立つ作品は避け、誰かと一緒に観ても気まずくなりにくい作品を選びました。ジャンルや年代にも偏りが出ないようにし、映画をあまり観ない人にも親しみやすい俳優の出演作や、子どもと一緒に楽しめる作品を含めたつもりです。いずれかに興味を持ってもらえるといいなと思います。
1. 『プラダを着た悪魔』
ジャンル:コメディ・ドラマ
2006年/110分/出演:アン・ハサウェイ、メリル・ストリープ
ジャーナリストを目指していたアンディは、一流ファッション誌「ランウェイ」の編集長ミランダのアシスタントとして働き始めます。ところが、ミランダから任される仕事はどれも簡単ではありません。アンディは厳しい要求に応えようと奮闘するうちに、仕事への向き合い方も、自分自身も変わっていきます。
衣装が変わるたびに、アンディがファッション誌の世界に染まっていくのが目に見えて分かります。服や靴、小物まで華やかで、「次はどんな格好をするんだろう」と見ているだけでも楽しい作品です。そこに、ミランダの容赦ない要求とアンディの奮闘が重なります。張り詰めたやり取りの中に笑える場面もあり、アンディがどう変わっていくのか、つい見届けたくなります。
2. 『ナイト&デイ』
ジャンル:スパイ・アクションコメディ/ロマンス
2010年/109分/出演:トム・クルーズ、キャメロン・ディアス
空港で謎めいた男性ロイと出会ったジューン。彼の正体は、CIAに追われるスパイでした。ジューンはロイと行動をともにするうちに、追跡や逃走が続く事件に巻き込まれていきます。
トム・クルーズの派手なアクションに、キャメロン・ディアス演じるジューンの驚きやツッコミが加わり、二人のやり取りが楽しい作品です。危険な状況を一緒に乗り越えるうちに、ジューンとロイの間にはロマンスも芽生えていきます。追いかけっこを楽しみながら、少しずつ変わる二人の距離にも注目したくなります。
3. 『パディントン』
ジャンル:ファミリー・コメディ/冒険
2014年/95分/出演:ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、ニコール・キッドマン
世界中で親しまれている児童文学『くまのパディントン』を実写映画化。ペルーからロンドンへやってきたパディントンは、ブラウン一家と出会い、新しい暮らしを始めます。礼儀正しく、相手を思いやる紳士的なクマですが、慣れない街では、そのまじめさが思わぬ騒動につながります。
パディントンは、どんなときも礼儀正しく振る舞おうとします。その紳士ぶりと、本人の意図とは裏腹に起きてしまうドタバタのギャップが、何とも可笑しいところです。ブラウン一家との距離が少しずつ縮まっていく様子にも心が和みます。
作品の舞台となったロンドンには、パディントン駅のほか、シェルドン・スクエアやレスター・スクエアにも像があります。映画を観たあとに街の風景を思い浮かべると、パディントンがロンドンで愛されている様子も感じられます。
4. 『ナイト ミュージアム』
ジャンル:ファミリー・アドベンチャーコメディ
2006年/108分/出演:ベン・スティラー、ロビン・ウィリアムズ
自然史博物館の夜警になったラリー。夜になると、恐竜の骨格標本や歴史上の人物など、展示物が動き出します。しかも、展示物たちはそれぞれ好き勝手に動き回り、ラリーの言うことを聞いてくれません。夜の博物館はあっという間に大混乱になり、ラリーは展示物たちを追いかけて奔走します。
博物館の住人たちが一斉に動き出す、にぎやかな騒動が見どころです。恐竜や歴史上の人物が入り乱れ、小競り合いまで始まるので、ラリーが一人で収拾しようとするほど状況は大きくなっていきます。展示物ごとに性格や行動が違うため、「次は誰が何を始めるのか」と追いかける楽しさもあります。子どもと一緒に観る作品としても選びやすい一本です。
5. 『地獄の花園』
ジャンル:邦画・アクションコメディ
2021年/102分/出演:永野芽郁、広瀬アリス、菜々緒、川栄李奈
普通のOL生活を送る直子の職場では、OLたちが派閥争いのために日々けんかを繰り広げていました。そこへカリスマヤンキーOLの蘭が入社し、会社の勢力図が大きく動き始めます。脚本を手がけたのは、バカリズムです。
職場の上下関係や派閥争いを、ヤンキー漫画のような抗争に置き換えた発想がまず痛快です。永野芽郁や広瀬アリス、菜々緒らが、強そうなOLを大まじめに演じるからこそ、肩書きや社内の立場をめぐるやり取りまで笑えてきます。次々と現れる個性的なキャラクターと、どんどん大げさになるけんかの演出も見どころです。
6. 『フリー・ガイ』
ジャンル:SF・アクションコメディ
2021年/115分/出演:ライアン・レイノルズ、ジョディ・カマー、タイカ・ワイティティ
オンラインゲームの世界で、銀行員として同じ毎日を繰り返していたガイ。ある日、自分がゲームの脇役だと気づき、いつもとは違う行動を始めます。その選択は、ゲームの世界だけでなく、ゲームを作った人たちにも影響を与えていきます。
ゲームの中の住人だったガイが、プレイヤーや開発者の思惑を超えて、自分の物語を動かし始める展開が面白いところです。ゲームのアイテムやお約束を使ったアクションはにぎやかで、ガイが周囲を驚かせるたびに、ゲームの世界もどんどん変わっていきます。ライアン・レイノルズの軽妙な演技に加え、ガイのまっすぐさが人々の心を動かしていくところも、この作品ならではの魅力です。
7. 『大名倒産』
ジャンル:邦画・時代劇コメディ
2023年/120分/出演:神木隆之介、杉咲花、松山ケンイチ、佐藤浩市
庶民として暮らしていた小四郎は、ある日突然、大名家の跡継ぎだと知らされます。ところが、藩には膨大な借金があり、父から命じられたのは藩の「計画倒産」でした。小四郎は藩を守るため、仲間たちと資金繰りに奔走します。
大名なのにお金がない。そんな状況で、借金をどうするか、藩をどう立て直すかと右往左往するところが、この映画の喜劇の中心です。お金の工面に追われる小四郎と、周囲の人たちの思惑が重なり、資金繰りの話が次々と騒動に発展していきます。
『超高速!参勤交代』や『引っ越し大名!』のように、藩の懐事情に振り回される時代劇コメディが好きな人にもおすすめです。ただし、同じシリーズの作品ではありません。それぞれ物語は独立しているので、予備知識なしで楽しめます。『大名倒産』は、そうした「金欠大名もの」の流れにある近年の一本です。
おわりに
どっぷり浸かる映画もいいですが、ご飯を食べながら気軽に楽しめる作品にも、また違った魅力があります。今回紹介した映画は、食事中でも追いやすい軽やかさがありながら、物語や登場人物にどっぷり浸かれる面白さもある作品ばかりです。次に映画を観ながら食事をするときは、気になる一本を選んでみてください。

